囲碁のはじまりは約4千年前の中国と言われています。しかしインドやチベットがはじまりとされる説もあり、はっきりしたことはわかっていません。中国の古い書物(論語・孟子など)には既に囲碁について書かれており、紀元前770~前221年ころ春秋・戦国時代には、戦略、政治、人生のシミュレーションゲームとして広まったようです。囲碁がいつ日本に渡ってきたか、はっきりとはわかっていません。奈良時代(710-794)に吉備真備が遣唐使として唐から持ち帰ったという説がありますが、636年の隋書・倭国伝には既に、日本人が囲碁を好むことや、701年の大宝律令にも囲碁について記されていますので、それ以前と考えられます。今日では囲碁愛好家の輪は世界に広がっており、2019年には「ヨーロッパ碁コングレス」は63回目、「アメリカ碁コングレス」は35回目を数え、毎年盛大に開催されています。
第4回ジャパン碁コングレス2019 in 金沢
囲碁の道具
棋具(囲碁の道具)
囲碁は、一対一で行う陣地取りゲームです。1人が黒、もう1人が白の「碁石」を持ち、1手ずつ交互に「碁盤」に置いていき、多く陣地をとった方が勝ちとなります。
碁石の白は貝から、黒は石から作られています(プラスチックやガラス製もあります)。碁石を入れる木製の碁石入れを「碁笥」といいます。石川県には、碁笥生産量全国6割のシェアを誇る企業があります。碁盤には、縦19本、横19本の線があり、線と線の交点は361点あります。碁石はその交点に置きます。オセロや将棋と違い、マスの中には置きません。囲碁で石を置くことを、「打つ」といいます(将棋では「指す」と言います)。
囲碁は「棋道」とも
囲碁は「棋道」ともいいます(「棋」は囲碁や将棋の意味)。武道や茶道、華道などと同じく、昔から技芸の品位と礼儀が尊重されてきました。
礼に始まり、礼に終わるといいます。囲碁を打ち始める前に、まずは向かい合って「お願いします」、そして打ち終わった後、「ありがとうございました」とあいさつします。
一度石を打ったら動かしてはいけません。動かしてしまうと負けになります。
碁笥の中に手を入れてガチャガチャと音を立ててはいけません。囲碁は相手を思いやって作り上げるゲーム。互いに思いやって楽しく囲碁を打ちたいですね。
きれいな石の持ち方、打ち方があります。必ずそうしなければいけないわけではありませんが、碁笥から石を1つ取り出すとき、親指と人差し指(または中指)を使い、次に人差し指と中指で石をはさんで持ちかえ、碁盤に石を打つと、指先がまっすぐ伸びてきれいです。石を打つ慣れた手つきを見ると、相手の囲碁の腕前を察することができるものです。
出典 : (一財)日本棋院ホームページ, 石川県のモノづくり産業の歴史と産業遺産(石川県)
このストーリーは2019.7.12〜15に開催された第4回ジャパン碁コングレス2019 in 金沢でご紹介しました。ジャパン碁コングレス2019 in 金沢が盛大に開催されたことを記念し、2020年、そのミニ版ともいえる「碁コングレス in 金沢 開催記念大会」が開催されました。